コックスオレンジピピンが届きました。
昨年とは別の農園から購入しました。
昨年いただいたたコックスは名前の通りオレンジ色をしていて、甘味も酸味もあって香りもよく、生でバリバリ食べれるリンゴでしたが、今回手元に届いたコックスは青々としています。
あら?と思ってさっそく食べてみると、
酸っぱい!
クッキングアップルのブラムリー並に酸っぱいです。しかも未熟果のような若々しい苦味もあります。
おお~、こういうタイプかぁ、なるほど。
ということで、大好きなリンゴの時期がやってまいりました!
何を作ろうかな~とレシピ本を漁っていると、目についたのがこの本。
イギリスのお土産屋さんに売られているイギリスの伝統料理が載っているシリーズ本です。
イギリス全体だったり地方ごとにまとめられていて、50ページもない小さい本なのでお土産に持って帰るのも苦じゃなく、この本をちょこちょこと集めていました。
こちらは湖水地方の料理や菓子が載っています。
レシピは簡素で、英語でサラサラっと分量と作り方が書いてあるだけです。
詳しい作り方のポイントなどは載っていませんし、完成品の写真も絵もないのでどういった料理なのかいまいちよく分かない、作り手の想像力に任せられるレシピもあります。
完成品の絵は無いのですが、その地方の景色や場面の挿絵が入れられています。
個人的にこの挿絵の雰囲気がたまらなく好きです。上の写真のは湖水地方のウィンダミア湖の風景。
湖水地方へ行った時にこれに近い景色を見てきたので、挿絵を見ているだけで懐かしく思い出してしまいます。
と、ついつい思い出に浸ったり、挿絵の美しさに惚れ惚れして、ただ眺めてそのまま本棚に戻す、というせっかく集めていたのにこのレシピ集をちっとも活用していなかった!という事に気がつきました。
今回はこの湖水地方のレシピ集からリンゴのお菓子を作りたいと思います。
ということで、Lakeland Recipesより、酸味の強いコックスに合いそうな”Apple Delight”を作ってみます!
コックスの皮を剥いて芯を取り、スライスします。
バターと砂糖をたっぷりの白ワインと一緒に鍋で溶かし、リンゴ、レーズン、シナモン、ナツメグを入れて、リンゴが柔らかくなるまで煮ます。
柔らかくなったらパイ皿に移しておきます。
小麦粉、塩、砂糖、卵、生クリームを混ぜて生地を作ります。
これが粉よりも卵や生クリームなど水分がかなり多くて、ずいぶんとシャバシャバな生地だけど大丈夫なのかな?どうなるんだろ?とワクワクしつつ、煮たリンゴの上に流してオーブンで表面がこんがりするまで焼きます。
こんがりといい感じに焼き上がりました!
うおう!ふっくらと膨らんでます!おいしそー!
最後に上にグラニュー糖をふって、Apple Delightの完成です。
卵がたくさん入っているので、黄色が鮮やかなスポンジです。
下には白ワインでとろとろになったリンゴがゴロゴロと出てきます。
焼き立てのほっか!ほっか!のうちにいただきます。
お皿に取り分けてみました。
もちろんお供はミルクティーです♪
わー!初めてあのイギリスのおみやげ屋さんで買い集めてきたレシピ本に載っている菓子を作ったぞ。そして今、食べる!
先ずはそのまま食べてみます。
上のスポンジが美味しい!!
上部はふんわりしていて下の方はしっとりしていて卵の香りと甘さ!
例えるなら、プリンに浸したカステラを食べているような感じです。上がカステラ、下がプリン。
白ワインのりんご煮は煮上がった時にちょっと味見したら、うーん、酸っぱいしサッパリしているなと思ったのですが、この卵の味あふれるスポンジと合わさると酸味のあるリンゴの魅力が爆発して、本当に美味しいです。
レシピには温かいうちにクリームをかけて食べると書いてあったので、イギリスの温かいデザートといえば温かいカスタードを合わせるのことが多いので、りんごのデザートに合わせてイギリス流のカスタードを作ります。
カスタードクリームというとシュークリームなどに入っているぽってりとした濃厚なクリームを思い浮かべますが、イギリスのカスタードと呼ばれるクリームはさらりとしていて味もサッパリめです。デザートにたっぷりとかけても味が壊れること無く、ペロリと食べれちゃいます。
そんなイギリス版のカスタードに味を寄せるべく、甘さを控えめに濃度も緩めに作リました。
もちろんカスタードも温めて、たっぷりとリンゴにかけます。
カスタードと一緒に食べるとこれまた味がレベルアップして、おいしい~!!
Apple Delight という名前の通りです。歓喜のリンゴです。美味しすぎて大喜びです。
たまらず温かいうちにおかわりしました。笑
とっても美味しかったApple Delightですが、残ったものを冷蔵庫に入れて翌日温め直して食べてみると、焼きたての時と比べてずいぶんと味が落ちてしまっていました。
オーブンから出したての温かいうちに食べきってしまうのがベストなようです。
日本で食べても美味しいのに、これをイギリスで湖水地方のあの雰囲気の中で食べたなら、さぞかし美味しいだろうなぁ。
今まで完成絵が付いていないので、いまいち作る気になれなかったのですが、簡素なレシピで完成絵がないということは仕上がりは作り手次第、アレンジも無限大ということではないか、それはそれで楽しいではないかと思うようになりました。
出来上がってビックリ、本来のものとはぜんぜん違う見た目に仕上がってしまっても、それはそれでとても楽しい思い出になるはずです。
これからどんどんチャレンジしていこうと思います!