Classic Christmas Cake & Mince Pies * クリスマスケーキとミンスパイ

イギリスのクリスマスに食べるデザートといえば、有名なのがクリスマスプディングでしょうか。
最低でも一ヶ月、人によっては一年も寝かせて作る濃厚でどっしりとしたお菓子です。

私は今年はプディングではなく、ケーキの方を作ってみました。
中はドライフルーツたっぷりで洋酒がきいたケーキを純白のアイシングで包んである伝統的なものです。

 


上の写真はイギリスのマーケットで売られていたクリスマスケーキです。
たっぷりのドライフルーツが上にトッピングされたものとアイシングでカバーされたもの。
横の瓶詰めはミンスミートのようです。ここで買い物をすれば数ヶ月かけて作るクリスマスデザートの準備の手間が省けてしまいます!

クリスマスプディングとクリスマスケーキは何が違うのかというと、味わいとしてはたっぷりのドライフルーツ、たっぷりの香辛料、たっぷりの洋酒と入っているものは似ていますが、大雑把にいうと蒸して作るか焼いて作るかという感じです。
クリスマスプディングはそれこそクリスマスにしか食べませんが、ケーキの方はお祝い事の時に出されるものとしてクリスマス以外にも結婚式などでも食べられています。しかし食感は重いし、古臭いと最近はあまり用いられなくなってきているという話を聞いたことがあります。

実際にウィリアム王子の結婚式の時、スーパーやデパートでこのアイシングで包まれたフルーツケーキが結婚式仕様にデコレーションされて売られていました。
それを当時お世話になっていたホストマザーが、半額になっていたから買ってきた!とワンホール買ってきてくださり、二人で半額ウエディング記念ケーキをお供にティータイム。
するとホストマザーが、「うーん、この上の白いの甘過ぎるわ・・・私は一切れで十分」 と、お残しになっていました。
え?じゃあ残り全部私が食べるんかーい!と思いつつ、うーん、いかに伝統を守るイギリスでも現代ではちょっと重すぎて甘すぎると口に合わない人も増えてきているのかもしれません。売れないから半額になっちゃってましたし。

そんなクリスマスケーキではありますが、洋酒のきいたフルーツケーキ大好きな私としてはたまらないケーキであります。
なので、今年はそんなクラシック・クリスマスケーキを作ってみたいと思います!

 


まずは主役であるドライフルーツから。
色々とレシピを見てみるとブランデーで漬ける事が多いようですが私はラムのほうが好きなので、レーズン、オレンジ等数種類のドライフルーツをラム酒に浸し、シナモンシティックを入れて一年寝かせました。
寝かせました などとカッコつけましたが、実は一年前にラム酒漬けを作ったはよいものの使う機会無く忘れていたものが出てきたのです。
え?これ食べれる?一年前だけど。と恐る恐る食べてみたら、とんでもなく美味しい!
お酒のツンとした苦味が抜けて香りとまろやかさだけが残っています。またフルーツから出たであろう甘さが全体に絡んでいて、とんでもなく美味しくなっていました。
この忘れ去られていたラム酒漬けいつ使うの?今でしょ。今しかないっしょ!ということで、このラム酒漬けをメインに、バター、砂糖、卵、小麦粉と、これも味のポイントのたっぷりのスパイス。 ミックススパイスにナツメグは削りたての香りのよいものを使います。


パウンドケーキと同じように生地を作り、ドライフルーツ、ナッツを混ぜ込みます。
このドライフルーツの量がやばいのです。
本場イギリスのレシピを見ると20~23センチのホールケーキで1キログラム以上入れます。粉の7倍以上のフルーツを入れます。
そりゃどっしりずっしりだよね。と、たっぷりのドライフルーツを入れて型に流すと、予定していた18センチの型に収まりきらず、2台分出来てしましました。


ケーキを焼き上げ、熱いうちにラム酒またはブランデーをたっぷりと染み込ませます。
そして缶などに入れて寝かせます。一週間ごとに洋酒を塗り、寝かせる、を最低一ヶ月続けます。


一ヶ月後、ケーキをマジパンで包みます。
市販品の出来上がっているマジパンは甘すぎるので、今回初めて手作りしてみました。
アーモンド粉と粉糖を練ったものと知ってはいたのですが、作るの大変そうとチャレンジしたことがなかったのですが、なんてことはない、粉糖、アーモンド粉に適量の卵白を入れてフードプロセッサーで回すだけ。あっという間にマジパンが出来上がります。簡単!
そのマジパンを伸ばして、ケーキには接着剤としてアプリコットジャムを塗り、マジパンで包みます。
そしてマジパンをケーキに馴染ませるため、またしばらく寝かせます。

そして最後にアイシングまたはシュガーペーストをかぶせて包み、完成です!

 


完成まで数ヶ月(洋酒漬けを入れると一年)かかったクリスマスケーキ

残ったシュガーペーストで何かデコレーションしようかな?とも思ったのですが、今回はシンプルに真っ白にしました。

 

 

そして今回はプラスもう一品、
ミンス・パイも作ります。


昨年と同様にミンスミートを仕込みます。
そして、今年はそのミンスミートに先日買ったブラムリーアップルを加えます。

ミンスミートは保存性を上げるためにも甘みを多く付けてあります。そのため寝かせたミンスミートにフレッシュなリンゴを加えることで味に爽やかさをプラスすることができます。
普通のリンゴでも良いのですが、せっかくなので酸味の強いブラムリーを使い、甘さと酸味のコントラストを付けてみよう思います。


ショートクラスと生地にミンスミート、細かく切ったブラムリーを入れて焼きます。
今年はちょっと可愛く色々とデコってみました。


仕上げに粉糖を降って完成です。
わー!昨年よりも美味しそうに出来上がって嬉しいです。


クリスマスケーキにミンスパイ、今年のクリスマスデザートが揃いました。
制作に数ヶ月、待ちに待ったティータイムです。


紅茶はいつもお世話になっている紅茶教室で今年もクリスマス・ブレンドティーを御好意で作らせていただきました。
アッサムなどミルクティー向きの茶葉に好みのスパイスをブレンド。


カットしたクリスマス・ケーキ
マジパンとシュガーペーストは厚くすると甘くなりすぎてしまうので、出来る限り薄めにしてあります。

ぎっしりドライフルーツが詰まっています。ラムの甘く濃厚な香りがたまりません。
あー早く食べたい!でもまだ寝かせないといけないし…、と私はこのケーキをどれだけ我慢してきたでしょう。私の愛と辛抱が詰まったケーキです。

お味の方は、口に入れた瞬間に広がるラムの香りと噛みしめるとドライフルーツの熟成された甘みと芳しさがたまらなく美味しいです。
上のシュガーペーストも薄めにしたので、濃厚な味わいのケーキに良い感じに甘さのアクセントを加えています。また、マジパンのねっとりとした食感もおいしいです。
あ~、もう私の好みにドンピシャです。おいしい!
そしてミルクティーとの相性がバッチリです。 ミルクティー、ケーキ、ミルクティー、ケーキとエンドレス!

ただ一点、洋酒がかなりきいているのでお酒が苦手な方にはちょっとつらいかもしれません。


ブラムリーのを加えたミンスパイもとても良いです。
甘く濃厚な味わいのミンスミートに、それに負けないブラムリーの酸味がちょうどよいバランスです。
こちらも美味しい~


今年はデザートが2種で豪華なクリスマスティーとなりました。

イギリスのお母さんはこれだけ手間ひまかけて家族のために作っていると思うと大変です。
この手の込んだ母の味を囲んでクリスマスは家族で過ごす、それだけで心温まるクリスマスになること間違いなしですね。
良い文化です。羨ましい。

このクリスマスケーキはお酒がたっぷりと入って、また砂糖で包ませているので保存性が高く、それこそお正月までちまちま食べて楽しめそうです。
クリスマス・ケーキもミンス・パイもどちらもとってもおいしかったので、手間はかかりますがまた来年も作ろうと思います。
それに向けて今から来年用のドライフルーツのラム酒漬けを作らねば~(笑)

それでは皆様、楽しいクリスマスをお過ごしください☆

 

2件のコメント

  1. 深野智子

    こんばんは。ブログを楽しく拝見させていただいております。来年1月20日から一週間ロンドンへ旅行いたします。拝見しているだけで旅行が楽しくなってきました。ありがとうございます。ひきつづきよませていただきます。

    • acco

      深野様

      コメントありがとうございます。
      ロンドンへご旅行に行かれるのですね!そう聞いただけで私もワクワクしてしまいます♪
      私は筆無精なもので…ロンドンに関して書きたいことがたくさん残っているのですが、ほとんど更新できておらず…
      ロンドンへのご旅行の参考になるような記事が少なくて申し訳ありません。

      記事にはまだ書いておりませんが、1店オススメのティールームを勝手にご紹介させてください。
      Orange Pekoe
      URL http://orangepekoeteas.com/
      有名店なので私が紹介するまでもないかと存じますが、フードも紅茶もとても美味しく、雰囲気もとても素敵です。
      私の一番のお気に入りのティールームです。
      もしよろしければご参考になさってください^^

      深野様のイギリス旅行が素敵なものになる事を心から願っております。

acco へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

トップに戻る