アイルランドの伝統的なソーダブレッドである、アイリッシュブラウンブレッドを焼きました。
ソーダブレッドはベーキングソーダ(重曹)を使って作るクイックブレッドです。
イーストを使わないので寝かせる必要がなく、ぱぱっと作れる簡単美味しいパンです。
これらはアイルランドへ行った時に食べたアイリッシュブレッド達
料理に添えられて出てきます。
ちなみに左上のもったりした見た目の料理はアイリッシュシチューです。
私がアイルランドを旅行した時、カフェ、レストラン、B&B、どこで食事をしても必ずこの素朴なパンが付いてきました。
宿泊したB&Bでは朝食に普通の食パンをトーストしたものとアイリッシュブレッドの両方が出てきた時は、そんなにパンばかり食べられん!と思ったのを覚えています。
手作りされているのかお店によって味がちょっとずつ異なっていて、全粒粉が入ったモソモソ食感でほんのり甘くて、噛んでいくうちに穀物のうまみを感じるそんな素朴な味でした。
本当にどこへ行ってもこのモソモソした黒っぽいパンが付いてくるので、旅行終盤ではこのモソモソ黒パンがもう食べられないのか…と寂しさを感じるほどでした。
日本の食パンにようにしっとりもっちりふんわりとは真逆のモソモソどっしりなので好みが分かれるところですが、個人的には小麦の香りと甘さ、噛みしめるほどに広がる素朴なうまみ、薄くバターを塗って食べるとたまらなく美味しくなる感じがとても好きなので、日本に帰ってきてからもたまにそんな素朴な味が食べたくなります。
ということで、今日はアイリッシュブレッドを、しかもブラウン感の強いものを作ります!
アイリッシュブレッドの基本材料は全粒粉、薄力粉、ベーキングソーダ、塩、好みで砂糖、バターミルクです。
粉類を合わせてバターミルクを加えてまとめ、あとはオーブンで焼くだけというスコーンよりも簡単な素敵パン。
今回はそんな基本配合からよりモソ感を強く深い味わいに作ってみます。
全粒粉と薄力粉、ライ麦がちょっと残っていたのでそれも加えて、そしてオートミールも入れました。
塩とベーキングソーダ、ブラウンシュガーをほんのちょっと。
粉類をまとめる液体はバターミルクの代わりに牛乳とヨーグルトを合わせたものを使って、コク出しにブラックトリークルというイギリスの苦味のある黒糖風味の糖蜜を使いたいのですが、これも日本ではなかなか手に入らないので変わりにモラセスを。
そしてアイルランドなのでギネスビールも入れます!
そんなシュワシュワな液体を粉類に混ぜて生地をまとめます。
伝統的なものは丸く成形して十字の切込みを入れて焼くのですが、今回はローフ型に入れます。
生地を入れたらたっぷりオーツをまぶしてオーブンで焼きます。
ギネスビールを使ったアイリッシュブラウンブレッドの完成です。
ちなみに今日は一緒に食べる用にアイリッシュシチューも作ります。
本場っぽくラム肉を使い、ジャガイモ、人参、玉ねぎ、ラムの臭い消しにセロリ、そしてギネス!
トラディッショナルな作り方は鍋に材料を重ねて入れて水と塩とハーブを加えて弱火でコトコトなのですが、私はカレーを作るみたいに最初にちょっと軽くソテーをしてみました。
ギネスをたっぷりとそそぎ入れ、あとは塩とハーブを入れてフタをしてオーブンでじっくり1~2時間火を入れます。
アイリッシュシチューの完成です♪
アイリッシュブレッドを添えていただきます。
今日はティータイムではなくてランチですね♪
アイリッシュブレッドにはバターを塗って、いただきます。
ん!個性的な香り!
そりゃそうです、ギネスとモラセスが入ってるので、笑
ギネスとモラセスの苦味のある香りがまずふわっときます。
そして全粒粉の粉の素朴な味わいが広がってモラセスなどのコクが追いかけてきます。
うん、正直好き嫌いが分かれる味ですが、私は好きです。
ヨーグルトやモラセスのおかげでモソモソしているけれどパサつきはなく焼き上がって、絶妙な食感です。
バターを塗って食べるとまたおいしい~
アイリッシュシチューはギネスで煮込んだのでラム肉がホロホロです。
ほんのりハーブが香って肉や野菜のうまみが染み込んだジャガイモが特に美味しいです。
アイルランドで初めて食べたアイリッシュシチュー(上から2番目の写真の右上のやつ)は、ジャガイモが荷崩れたトロトロなもので、そんなジャガイモの海の中からゴロッとした肉が発掘される感じも面白く、味も洋風肉じゃがといった感じで日本人には馴染みやすい料理だなと思いました。
今回私が作ったものは、ちょっと個性的な香りのアイリッシュブレッドに、ラム肉を使ったアイリッシュシチュー
クセのあるもの同士で合わないかな?とも思ったのですが、どちらもギネスを使ったので意外と相性が良かったです。
旅行した時に感じたアイルランドの風景が蘇る、そんなランチとなりました。