南房総 酪農発祥の地の牛乳を飲む


南房総へ行ってまいりました。
酪農といえば北海道というイメージが強いですが、なんと発祥は千葉県なのだとか!

ということで、今回の目的は酪農発祥の地の牛乳を飲みにいこうです。

 


やってきたのがこちら、千葉県酪農のさと


酪農の歴史が学べる資料館や地元で生産されたアイスクリームの販売、放牧されたヤギと触れ合えたりする県の施設で、嬉しいことに無料です。
館内はしゃべるマスコットキャラクター?が飾ってあったり、資料館は小学校の自由研究にはもってこいの充実した展示でした。


そしてなんといっても一番はこの白牛と会えることです。
耳がうさぎのように長く、白い毛にコブのある姿
ホルスタインやジャージーなどの赤牛は牧場に行くとよく見かけますが、この子は初めて見ました。


↑日本の酪農の発祥について、白牛について

白い牛と書いて”ハクギュウ”と読むようです。
それを知らずに「この子が”しろうし”か~」と、しろうし呼びして施設に人に苦笑いされるという。
知らんぷりせずに教えてくれたらいいのに!


資料館を見ると昔は子供も生まれたり白牛がたくさんいたようですが、今はこの子一頭だけとのこと。
一頭だけでなんだか寂しそうに見えます。


また屋外には牧草地の他に牛の胃袋の築山なるものがありました。
牛の特徴である4つに分かれた胃をアトラクションにしてしまおうという発想がクールすぎます。
もちろんただのオブジェではなく歩いて体感できます。私は今、第三の胃へ突入した、などと妄想して遊べます。
売店でアイスを買い、牛の胃の築山で牛の乳でできたアイスクリームを食らう、よく分からない牛ワールドにトリップできそうです。


胃の築山とのじゃれ合いは程々に、広い丘の牧草地へ
ヤギたちがまったりと日向ぼっこしています。


あくびしてたり、気持ちよさそうに昼寝してたり、まったりです。


まったり反芻中

とにかくここにいるヤギたちはおとなしくて人懐っこくて可愛かったです。

牛乳好きには楽しい酪農展示室、珍しい白牛、トリップできる築山、季節的に寂しい時期だったのでほぼ貸切状態でゆっくりのんびりとした時間を過ごすことでができました。

 


酪農のさとの他に道の駅巡りをして、地元の牛乳をお土産に買ってきました♪

ジャージー牛の低温殺菌ノンホモ牛乳
日本酪農発祥の里の烙印が押された地元の牛乳だけで作られた低温殺菌牛乳


せっかくなので飲み比べてみたいと思います。

写真左から、
一般的な牛乳代表として我が家の冷蔵庫にあった雪印メグミルク
日本酪農発祥の里 三芳の牛乳
近藤牧場 低温殺菌ノンホモ牛乳

3種の成分まとめ↓

<雪印メグミルク>
おいしさキープ製法(生乳中の酸素を取り除き、熱と光の影響を抑えて生乳本来の味わいを実現)
乳脂肪分 3.5%以上
殺菌   130度2秒間

<三芳の牛乳>
千葉県知事賞を受賞している南房総地域の高品質生乳のみ使用
乳脂肪分 3.5%以上
殺菌   65度30分間

<近藤牧場牛乳>
ホルスタインの他にブラウンスイス、ジャージー、ガンジーの良質な生乳を使用
乳脂肪分 4.0%以上
殺菌   65度30分間

3種とも生乳100%の成分無調整
メグミルクは超高温瞬間殺菌、三芳と近藤牧場は低温保持殺菌となっています。


並べてみましたが…写真だとわからないですね。。。
右の近藤牧場牛乳はやや黄みがかった色で、残り2種は同程度の白色です。
また、近藤牧場牛乳は脂肪球を均一化処理していないノンホモジナイズド&高脂肪なので上部に脂肪の層が出来ています。

さて、飲み比べてみます。

<メグミルク>
よく飲む味です。牛乳の甘い香りに甘い味、安心安定の味。
<三芳の牛乳>
口に入れた瞬間から香りが違う!なんだろう、良い意味で牧場の香りがします。牧草地のような香り。
サラッとしていて乳脂肪のコクと甘みが広がります。
<近藤牧場牛乳>
濃い!サラリとした口当たりなのに乳脂肪のコクが強いです。
バターのような風味を感じ、口に甘みが長く残ります。

飲み比べてみて感じたのは、超高温殺菌の牛乳が美味しくなっている!
昔は超高温で殺菌した牛乳は焦げ臭が出たり口当たりが粘ついたりしたものでしたが、それがほぼ無くなっています。甘くて爽やか。
おいしいと銘打った牛乳はずいぶん前から発売されておりますし、それらを飲んでいなかったわけではなかったのですが、こうして改めて飲み比べて今はじめて気が付きました。看板違わずおいしくなっている。

超高温瞬間殺菌の牛乳が美味しくなっているのは間違いないのですが、今回飲んだ2種の低温保持殺菌の牛乳と比べると香りや味わいが全く異なります。こんなにも違うのかとビックリするほどにミルクの本来の甘さとコク、自然な香りが違うように感じました。

 


さてさて、せっかく美味しい牛乳があるのだから、ミルクティーも挑戦します!
同じ条件で同じ量のミルクを入れて飲んでみます。


ジャージー生乳を使った乳脂肪濃いめの近藤牧場牛乳を入れたミルクティーはやや赤が濃い色になっています。
他の2種は同じ色合いです。

<メグミルク>
可もなく不可もなく、あっさりとした印象です。
<三芳の牛乳>
メグミルクと比べると紅茶の香りをより感じます。
紅茶の香りもあり、ミルクの甘みもあり、バランスの良い味です。
<近藤牧場牛乳>
一番ミルク感が強く、脂肪分のまったりとしたコクのある味です。
まったりといってもクリームを入れたしつこさや重さはなく、濃厚な味わいになっています。

これは好き嫌い、その時の腹減り具合と気分によって美味しいと感じる物が変わってきそうです。

よくミルクティーには低温殺菌牛乳が良いと言われますが、こうやって飲み比べてみるとなるほどと思いました。
今までは超高温殺菌牛乳では焦げ臭・ミルク臭さが邪魔になるので低温殺菌のほうが好ましいという話でしたが、飲み比べてみて最近の特別処理をした超高温殺菌牛乳は焦げなどの臭みは解消されているのでそのあたりの影響はなくなりました。ですが、なにかミルクも紅茶もどちらの主張も薄く全体的にまとまってしまっているというか、個人的には面白みのない味という印象を受けました。むしろそこが利点となってたっぷり飲みたいときにはあっさりしているので良いかもしれません。
低温殺菌牛乳は紅茶の香りもあり、ミルクの甘さやコクも感じることが出来て、美味しいミルクティーが飲みたい!と思った時に使いたい味です。これを毎日飲めたら贅沢だなぁ。
乳脂肪の高い牛乳は特別な一杯ですね^^

あくまで上記3種類を飲み比べての個人的な感想なので、メーカーや商品が違えば同じ超高温殺菌でも低温殺菌でも味の印象は変わってくる事と思います。

こうして飲み比べをするのは楽しいですね♪
私が牛乳の飲み比べを始めたきっかけは、イギリスに行ったことで牛乳の違いというものに衝撃を受けたからなのです。

写真が悪いですが、↑イギリスの牛乳です。
半透明のプラボトルに入っていて、キャップの色によって含まれる乳脂肪分が分かれています。
青Whole milk(成分無調整牛乳)、緑Semi skimmed milk(低脂肪乳)、赤Skimmed milk(無脂肪乳)の三種類が一般的で、たまに紫キャップの低脂肪と無脂肪の間くらいのやつもあったりします。

渡英して初めて牛乳を飲んだ時に日本で飲んでいた味と全く違ったのでビックリしたのです。
まるで水のようにサラサラしていて一瞬薄い!と思うのですが、後から強い甘みが!
なんだこれ!?と思って調べてみると、イギリスで売られてる牛乳は乳脂肪分的には無調整で3.6%前後なので日本のものと変わらないのですが、殺菌方が日本で一般的な超高温瞬間殺菌ではなく、pasteurisedパラチャイズド(低温保持殺菌)となっています。
そのため、口当たりがサラッとしていて甘みが強い。しかし賞味期限が短くて、賞味期限内であっても分離が起こってしまったりします。
これがイギリスあるあるで、ミルクティーを飲もうと思ったら牛乳分離してたー!紅茶が無駄になってしまった!という英国に滞在していると誰でも経験するイギリスの牛乳の落とし穴です。
でも、この分離してしまった牛乳でスコーンを作ると美味しいという話も聞きます。
一度現地で作ってみたことがあるのですが、その時はあまりよく違いが分からなかったです^^;
おそらく、冷蔵庫で忘れ去られ分離し、ちょっとサワーな感じになってしまったやつを使うとスコーンがふんわりするという話なので、自家製バターミルクのようなものなのだと思います。
私が作った時は賞味期限内で酸っぱくなくただ分離していただけのものだったので効果は今ひとつだったのかもしれません。

ちなみに日本の牛乳に近い味としてLong life milkとして密閉パックに入ったものが常温コーナーで売られています。
超高温瞬間殺菌よりもさらに温度の高いUHT滅菌法で作られた物で常温長期保存可能という品。
牛乳が常温!?という衝撃もありつつ、飲んでみると味は日本でよく飲む牛乳に近い味でした。
なのでイギリスのサラサラした牛乳が嫌だ、日本の牛乳が飲みたいという時はこちらを買うとよいかもです。

日本に帰国してからはイギリスのものに近い味の牛乳はあるのだろうかと、それから牛乳味巡りをするようになりました。
スーパーで買えるものから旅で出会ったものなど色々飲んでみましたが、牛乳も農産物でその土地によって生産者によって味わいが異なってくるので、イギリスではイギリスの風土が育てた牛乳が、日本には日本各地の素晴らしい牛乳があって、始めはイギリスに近い味!と探していたのは今ではナンセンスだったなぁと思っています。

しかしながら今回の味比べをしてみて、イギリスのミルクティーが美味しいと言われるのは牛乳が紅茶に合うものだったんだなと理解しました。
特にイギリスの牛乳は甘みが強いので、ミルクティーにすると砂糖を入れなくても甘みを十分感じておいしいのかも。

私は普段飲むのはミルクティーが多いのですが、茶葉によってはミクルティーにした時に何か物足りないと感じた時には紅茶の淹れ方をアレコレ代えて試してみたりしてたのですが、牛乳を変えてみるという事は考えたことがなかったので、これからは何か物足りないと感じたら牛乳も変えてみたいと思います。


なんだかやたらと話が長くなってしまいました、スミマセン^^;
あれこれ試して残ったミルクティーでティータイムです。

牛乳と同じく房総で買ったイチゴを使ってお気に入りのストロベリーミルクスコーンを焼きました。
生地には乳脂肪濃いめの近藤牧場さんの牛乳を贅沢に使っちゃいました!

苺ミルクの香りのするスコーンとミルクティー、
房総の早春の香りのティータイムでまったりしました^^

 

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