Baked Rice Pudding * ライスプディング


オーブンで焼いて作るベイクド・ライスプディングを作りました。

 

お米を牛乳と砂糖で甘く煮込んだイギリスの伝統料理のライスプディング
家で母親が作ってれる思い出の味はもちろん、イギリスではすぐに食べられるインスタント品も売られており、キャラメル味やチョコ味など様々なフレーバーもあって手軽に食べられています。

イギリスでお米というと細長いパサパサライスが一般的ですが、このライスプディングは専用のお米があります。
その名もそのままPudding Riceという名前で売られています。
このお米はパサパサ細長米と違い、日本のお米に近く短粒で粘り気があるのが特徴です。
そう!イギリスで白米が食べたい!でもパサパサライスばかりで日本のふっくらもっちりの米が手にはいらない!売ってても高い!買えない!という時に、この手頃に手に入るプディングライスを使うと日本のご飯に近いものが食べられるという日本人にはありがたいお米でもあります。

 

私がライスプディングを初めて食べたのはコッツウォルズでホームステイをした時、イギリス人のホストマザーが作ってくれた手作りのものでした。

米食文化の日本人からすると甘く煮込まれた米というのは拒絶反応を示しても仕方がないものですが、イギリス人も好き嫌いが分かれるようで、ホストマザーはこのライスプディングが大嫌いだと言っていました。
しかし旦那様の大好物らしく、自分は食べないが夫のためにいやいや作っていたとの事。
そんな旦那様用のライスプディングのお米が余っているので、イギリス菓子を勉強しに来た私にわざわざ作ってくださったのです。

その時作ってくれたライスプディングの写真を撮り忘れたのが悔やまれますが、シンプルにお米を牛乳と砂糖で鍋でコトコトと煮込み、米が柔らかくなったら仕上げにナツメグをかけて完成の昔ながらの作り方でした。
お米の粘りでトロリとしていて、ミルクの甘い香りと米のねっとり感、全体的に甘くほんわかしている味にナツメグのピリッとした爽快感が引き締め役になっていました。
初めて食べたその味は、うまいかまずいかというと、、、米から牛乳の香りがしてしかも甘い・・・うーーーん・・・という感じでした。
ホストマザーになぜライスプディングが嫌いなの?と聞いたら、スティッキー(ねっとりした)食感と鍋に米が焦げ付いて掃除が大変だから嫌いと言ってました。なるほどー。


そんな賛否両論のライスプディングを作ってみたいと思います。
なぜ今回ライスプディングを作るのかというと、1リットル入りのアーモンドミルクを買ってきたはよいものの消費しきれず、そうだ、牛乳の代わりにアーモンドミルクを使ってライスプディングを作ったら美味しいのではないか?と思ったからです。

ライスプディングの作り方を調べると、ホストマザーのようにお鍋でコトコト派とオーブンでじっくり派があるようです。
レシピも牛乳、砂糖、米だけというシンプルなものから、スパイスやバニラを入れたり、クリームを入れたり、クリームの代わりにバターを入れたり、卵を入れたりと色々とあります。
今回私は加熱方法はオーブンで、使う材料は米にアーモンドミルクと牛乳、バター、スパイスにはカルダモン、クローブ、シナモン、ナツメグ、バニラを使いました。

さあ、レッツ・ベイキング!
アーモンドミルクにちょこっと牛乳も入れて、ナツメグ以外のスパイスも加えて沸騰するまで温めます。
そこへお米とバターを入れてよく混ぜ、耐熱容器へ移して150度のオーブンで1~2時間焼きます。


途中30分位で一度取り出して、底にへばりついた米を剥がし混ぜて、ナツメグをかかてオーブンへ戻します。
表面がグツグツとしてきました。
好みの良い焦げ色が付いたら取り出します。


ベイクド・ライスプディングの完成です。
この見た目、完全にマカロニグラタンです。おいしそう。
しかし、何も知らずにグラタンだと思って食べるとひっくり返るやつです。笑


お米はトロトロに柔らかく、中はなんともミルキーです。


器に盛り、紅茶も入れていただきます♪


最後の仕上げにもう一度ナツメグをかけました。

味の方は、おお!?・・・・おいしい。
美味しいではないですか!どちらかと言うと苦手だったのでちょっとビックリです。

アーモンドミルクを使ったおかげかミルク臭さは軽減されて、あっさりしながらもバターでコクがプラスされています。
また、色々入れたスパイスが強すぎずにほどよく混ざり合って味深いものにしてくれています。
バニラをさやごと加えたので砂糖は控えめにしたのですが、甘さも調度良いです。

2時間近くもオーブンへ入れていたので、お米の粒感はなくなっていて粥のようにとろけて、とろフワといった感じです。離乳食・介護食にもピッタリです。
ライスプディング単体でも美味しく食べれますが、プラムなど酸味のあるフルーツコンポートを温かくして添えたら最高なこと間違いなしです。


また別に冷やしたバージョンのライスプディングも作ってみました。
こちらはシンプルにお米にアーモンドミルクと少し砂糖とナツメグを加えて、鍋で20分ほど米が柔らかくなるまで煮ました。
それを冷やし、器に盛ってりんごとオレンジとアールグレイのジュレを添えたものです。

こちらは先ほどのベイクド・ライスプディングとは違い、シンプルな材料で作っただけに味はあっさり淡白です。
フルーツやジャムなどの添え物がないとちょっと物足りない感じ。
一晩冷蔵庫で冷やしたので、米が柔らかくなって固まり、もっちり食感になっています。
冷やすと固まるので、プリンやゼリーの可愛い型に入れると可愛くデコレーションできそうです。

また、作りたてはオーブン焼きのものとも冷やし固めたものとも違い、お鍋で作るとお米の粒感が楽しむことが出来ました。
少しトロッとしたアーモンドミルクの甘くあっさりとした味わいに、噛むとお米の香りと甘さを楽しめて、やはりお米大好き日本人の私としては米本来の味が楽しめるこちらの食べ方のほうが好ましく思ってしまいます。


温かいのと冷たいの2種類のライスプディングを楽しみました。

オーブンで焼くと全体的にまろやかにまとまったトロふわ食感に、鍋で作ると柔らかいリゾットのような米の旨味を感じる物に、冷やすとねっとりぷりんっとした新食感スイーツに。
イギリス流の米とミルクのまろやかさを楽しんでも良いし、米の美味い日本だからこそ作れる米の旨味を楽しむ日本流ライスプディングを作って楽しむのも良いですね。
スパイスやチョコを加えたり、ジャムやフルーツを添えたり、アレンジ無限大なので、これぞマイ・ベスト・ライスプディングなるものを作り上げるのは楽しそうだなぁと思います。

 

 

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