Apple Charlotte * アップル・シャーロット


Apple Charlotte アップル・シャーロットを焼きました。

リンゴを甘く柔らかく煮たものを食パンで包んで焼き上げるイギリスのプディングです。
このシャーロットという名前の由来は諸説あるようですが、一つにはイギリス国王ジョージ3世の王妃シャーロットの名前に由来しているとのこと。シャーロットという名の菓子で一番古いレシピが1796年にはあったという事なのでなかなかに古典的な菓子です。

サマープディングブレッド&バタープディングのようにカピカピになってしまった食パンを利用するブレッドプディングの仲間で、サマープディングやブレッド&バタープディングのように型に食パンを敷いて具を詰めるだけなので、生地を作らなくてもよく手間がかからずとても簡単&美味しいデザートです。

 

そんなアップル・シャーロットを作ってみたいと思います!


まずは中に詰めるリンゴを煮ていきます。
リンゴは酸味が強すぎず爽やかな香りのグラニースミスを使いました。
皮を剥いてスライスし、砂糖とバニラとシナモンシティックを合わせてリンゴが溶けないように形が残りつつ柔らかくなるまで煮ます。
レシピはイギリスの物を使用したのですが、ここで砂糖をドバっと入れてあま~く仕立てるのかと思いきや、入れる砂糖は控えめで素材の味を生かした甘さでした。
食パンを型に合わせてカットして、片面に溶かしバターを塗ります。


バターを塗った方を型に貼り付けていきます。
型は大きなプディング型ではなく、一人サイズな小さめのカップを使いました。
食パンをぐるっと貼り付けたら煮たリンゴをぎゅうぎゅうと詰めて、パンでフタをしてバターを塗り、オーブンでこんがりするまで焼きます。


型から外し、仕上げにグラニュー糖をふれば完成です!
温かいうちにいただきます♪


中はこんな感じ、リンゴがぎゅぎゅっと詰まってます。

ナイフを入れると外側のパンががカリカリ&サクサクとしていて、ほわっとほのかにシナモンが香ります。

このアップルシャーロットはそのまま食べても美味しいですが、温かいカスタードかゴールデンシロップをかけていただきます。


ということで、温かいカスタードをたっぷりとかけてみました♪

バターが染み込むパンの外側はラスクのようにクリスピーで中はじゅわっとリンゴのうまみが染み込んでいます。
中のりんごはトロッとしている部分と形が残ってシャッキリとした食感のものが合わさり、爽やかな酸味と穏やかな甘味で上品です。
そのパンとリンゴをカスタードがまろやか包み込んで三味一体、完ぺきな味わいです。美味しい!
ブレッドプディング系を作るといつも思うのですが、陳腐になるかと思いきや、これが食パンで作ったデザートとは思えないなかなか上品な一品に仕上がるからビックリです。


ついでにゴールデンシロップかけもいただきました~♪
ホットケーキにメイプルをかける時もそうですが、この金色のシロップが菓子にかかる瞬間ってたまらないですよね。
ひえー、うまさ3倍増!と一人でテンションが上ってしまいます。

カスタードはまろやかさがプラスされましたが、ゴールデンシロップでは甘さとコクがプラスされ、外側のカリカリがより一層美味しくいただけました。


カスタードがけとゴールデンシロップがけ両方とも食べるという贅沢食いをしてしまいましたが、食パンで出来ているので一個でなかなかお腹が膨れます^^;
今回一人用の小さめサイズで作ってちょうど良かったです。
 
ちなみにこの “Charlotte” はフランス読みでシャルロット
シャルロットといえば、別立て法のスポンジ生地のビスキュイを細く絞り出して作るビスキュイ・ア・ラ・キュエールを型に敷き込み、中にカスタードやババロアやフルーツムースを詰め、優雅な女性用の帽子に見立てたフランス菓子が有名です。
そのフランスで流行したシャルロットという菓子の原型がカスタードをたっぷりとかけて食べるイギリスのアップル・シャーロットだと言われています。
カリカリの食パンをふわふわのスポンジに、リンゴの甘煮を軽い食感のクリームやムースに代え、さらにアップル・シャーロットは温かくして食べますがクリームを詰めたシャルロットは冷やして食べます。全て逆の発想!
このシャルロットの生みの親がフランスの天才料理人アントナン・カレーム であり、彼は古典的な重い味わいの菓子を改良し新しい味を作り出し、それらが定番となり現代まで愛されています。
まさに “Charlotte” という菓子が良い例ですね。
古典から近代へ、そして時代は繰り返して現代では古典は新しく面白く感じて見直される。
まさかアップル・シャーロットを作って菓子の歴史を学ぶとは思いませんでした。笑
今こうして古典的な物も近代的な物もどちらも味わえて楽しめるなんて、食いしん坊の私にはたまらんです。

話が膨らんでしまいました。
ティータイムにアップル・シャーロットをいただくなんて中世にタイムスリップしたようでとても素敵です。
また、食パンとリンゴのコンポートで作られていると考えると朝食にたっぷりのミルクティーと共にいただくのも最高なんじゃないかなと思います。
赤いリンゴを使って作り、外はシンプルな見た目なのにカットすると中からピンクの綺麗なリンゴが出てくるっていうのも可愛くて良さそうですね^^ カレームの様に斬新な発想はできませんが、元のレシピを尊重し自分なりに楽しめたら良いなと思います。

 

 

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