Chestnuts Crumble Cake * 栗のクランブルケーキ


ご近所さんから栗をいただきました。
半分は栗ご飯にし、もう半分は渋皮煮を作ってみようと思います。
渋皮煮初挑戦です。

 


栗をそのまま一晩水に浸して外側の硬い鬼皮を剥きます。
どうせならたくさん作れと母が追加で栗を二袋買ってきたものですから、大きなボール一杯の栗・・・大量・・・これ私がやるの???
ちょこっと作るつもりが大仕事になってしまいました^^;
手が痛くなるのを覚悟し、軍手をして鬼皮と戦うこと2時間、やっと全部むけた!渋皮煮の一番大きな仕事が終わったぞ!

と思いきや、ここからが地味に大変でした。


剥いた栗を重曹を少し入れた湯で茹でこぼし、それを何度か行い栗のアクを抜いていくのですが、
一回一回煮こぼしたら水にさらして渋皮についている黒い厚い筋を取っていきます。

腰をかがめながらシンクで一個一個筋を取っていく作業が腰痛持ちには激務!
歯ブラシを使うと簡単に取れるという情報を見たので、旅館でもらってきた使い捨てのやつを引っ張り出してきて使ってみたら全然取れず、結局全て爪楊枝と手で取りました。
素手だとほどよい力加減で磨けるので一番やりやすかったのですが、きっとこれが終わる頃には指紋無くなってるなぁと思いつつも、せっかくなら美味しいものを食べたいので一個一個丁寧に磨いて、一回目、二回目、三回目とキレイになっていく栗を見て、ああ、なんて栗って美しいんだ!と達成感を味わいました。

そんな綺麗になった栗を三温糖と黒糖で甘みをつけていきます。
二晩かけて徐々に甘さを付けて、最後にラム酒を入れてもう一晩寝かせました。


そうしてようやく出来上がった栗の渋皮煮です。

甘さもちょうど良く、栗の香りとほんのりとラムの香りもして美味しい。苦労しただけあって美味しさも2倍増しに感じます。

渋皮煮って今まで簡単にホイッと口に放り込んで食べてしまっていましたが、出来上がるまでこんなに時間と労力がかかっているなんて知りもしませんでしたので、これからは一個一個大事に食べようと思いました。
今回は渋皮煮でしたが、マロングラッセが一個づつ個別包装で大事に包まれ高級贈答品として扱われているのも理解できました。

さあ、そんな腰を壊しながら作った渋皮煮でレッツ・ケーキ作りです!


スパイスを加えたバター生地に渋皮煮のシロップを加えてスポンジも栗の風味をつけます。
生地を型に流し入れて、その上にダイス状にした渋皮煮をたっぷりと並べます。
最後に上にクランブルをのせて焼きます。


栗のクランブルケーキの完成です♪


スパイスの利いたケーキにラムが香るほっくりとした栗が美味しいです。
上にのせたカリカリのクランブルが香ばしさをプラスしてくれています。
栗に合わせてケーキの甘さを控えめにしたので上品な味ですが、高級ケーキ風にはしたくなかったのでクランブルをのせたことでカントリーぽさが出て大満足な出来になりました。
また、ミルクティーと栗のケーキは相性抜群ですね^^

 


余談ですが、私がイギリスに滞在していた時に思ったのが、イギリス人って栗食べるのかな?ということです。
イギリスでは栗はChestnutsチェスナッツと呼び、秋になると公園や道端にゴロゴロ転がっていたりします。
そう、イギリス人は栗拾いをしないのです。日本人的には、というか私的には栗が落ちていたらお宝発見!なんですが^^;
食べるには食べるのでしょうが、日本人ほど進んで食べなさそうです。

上記写真はロンドン郊外のウィズリーガーデンのすぐ側の遊歩道で拾った栗たちです。
しかもオータムフェスティバル中でたくさんの人が来園しているウィズリーガーデンでです。沢山の人が道端に落ちている栗をスルー。
現地で知り合った日本人の友人と一緒にフェスティバルへ遊びに行っていたのですが、「なんで誰も拾わないの?」と、「拾っちゃいけないのかな?」「てか食べられないのかな?」と帰り道に試しに拾ってきて、フラットで焼き栗にして食べてみたら、まあ美味しいこと!!
天津甘栗のような小粒なのですが、甘くてホクホクでとても美味しかったです。
その事を別のロンドンで知り合った日本人の知り合いに話したら、イギリス人は栗を拾わないと同じことを言っていました。
食べるのが大変だからか、自然を大事にするイギリス人ですから栗はリスや鹿のために拾わずにとっておいてあげているのかな?


それと日本でもおなじみのフランス菓子のモンブランはイギリスでは見当たりません。
モンブランを食べたくなったら売ってる店を見つけるより、自力で作るか、ドーバーを渡ってお隣おフランスまで行った方が早いくらいです。
なので、今回のケーキはイギリスのレシピから作ったのではなく、イギリス風に作るとこんな感じかなと思って作った栗のケーキです。

イギリス滞在中はなぜあんなに美味しいモンブランやチーズケーキが無いのだ!?と不思議に思っていましたが、
自国の物を大事にする文化だからこそ、見た目はフランス菓子と比べると地味めなイギリス菓子が今でも普通に食べられて愛されていいるのだろう、そしてそのおかげでこうして今でも美味しいイギリス菓子を食べることが出来る事に嬉しさを感じます。

 

栗を煮るところから数えると4日以上かかってしまったケーキですが、出来上がりに大満足です。
初めて作った栗の渋皮煮はもう二度と作らない!と思うほど大変でしたが、食べるととっても美味しくてまた来年作ろう~♪と思うのでした。笑

 

2件のコメント

  1. みっちー

    以前に手作りの栗の渋皮煮をいただいたことがありました。大事に大事に食べましたが、まさかここまで作るのが大変だとは夢にも思っていませんでした(;゚Д゚)

    確かにイギリスでは日本のように店頭で栗を目にすることはありませんね…。
    でも、以前イギリス人のお友達と落ち葉を蹴りながら歩いていた時に落ちていた栗について説明してくれて、食べられる栗と食べられない栗があると教えてくれました。(結局私には見分け方がわかりませんでしたが…。)
    そして、食べられる栗を拾ってそのまま生で食べたのです!私も食べてみましたが、生で栗を食べたのは生まれて初めてでしたし、生のまま食べるなんて考えてみたこともなかったのでびっくりしました。
    たぶん皮が硬いから考えても見たことがなかったのだと思いますが、その栗は小さく、また皮もそんなには固くなく手で簡単に剥けられました。(とは言っても確か私は自分で剥ききらずに向いてもらったような記憶が…。
    その栗は日本でよく見る栗よりずいぶん小さかったせいか、柔らかくて薄味だったような気がしますが、もう10年以上前のことなので記憶があいまいです…。(それなのにこんなコメントしてすみません…汗。)

    • acco

      みっちー様
      素敵な思い出ですね^^
      私も散歩が好きなので、落ち葉が広がる秋のイギリスの風景の中、栗拾いなんてとても素敵です♪
      食べられない栗もあるとは!私は運良く食べられるやつを拾えたのですね、ラッキーでした。
      ちょうど今、栗の季節ですね。今度生でちょっとかじってみます^^

      とてもめんどくさい栗の渋皮煮作りでしたが、
      とても美味しかったので、今年も作ろうと思っています*^^*

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